多様な乗船者が集うピースボートの船内
およそ100日をかけ、20以上の寄港地を訪れながら遥か4万kmの地球を旅するピースボートの世界一周クルーズ。1983年に出航した第1回の船旅から数え、これまでに100回を超えるクルーズを実施。これまでにピースボートクルーズで世界一周の夢を実現した乗船者の数は、のべ5万人以上。複数回乗船されるリピーターの方も多く、また2016年のクルーズからは、アジア圏を中心に日本国外からの乗客も船旅に加わるようになり、船内の国際化、多様化はさらに進化しています。
そして、ピースボートクルーズの大きな特色のひとつとなっているのが幅広い乗船者層。船には幼い子どもから10代や20代の若者、シニア世代では90歳を超える方まで、幅広い年齢層の方々が全国各地から乗船しています。
なかでも、子どもにも「世界」を体感させたい、家族で地球一周したい――そんな声に応えて始まった、小さな子どもと一緒に親子で世界一周できる「ピースボート子どもの家」は、ピースボートクルーズならではのプログラムです。船旅は、人にも地球にも優しいユニバーサルなもの。ゆっくりと時間が流れる洋上の日々は、親子で過ごすかけがえのないひとときとなるはずです。
「ピースボート子どもの家」では、子どもたちの自主性を大切に育むためにモンテッソーリ教育を採用し、国際モンテッソーリ教師免許を持つ専門の保育士がクルーズに乗船します。主役はあくまで子どもたちで、大人の役割は子どもたちの様子を見ながら必要に応じて手助けをすることだけ。親子でめぐる世界一周の洋上の日々は、子どもたち自らが成長できる空間となります。
もちろん、寄港地での交流プログラムも旅の楽しみです。寄港地で行う「ピースボート子どもの家」奨励ツアーでは、その土地に暮らす子どもたちや大自然と出会います。異なる言語、異なる文化をもつ人々との出会いは、子どもたちにも大切なものを残してくれるでしょう。旅は小さな我が子への「一生続く贈り物」です。
もうひとつ、ピースボートクルーズならではのプログラムといえるのが、洋上のフリースクール「グローバルスクール」です。
学校に行きたくない、職場に馴染めない、何をやっていいかわからない――「ヒトと同じ」や「普通であること」が求められることの多い日本社会の中で、「生きづらさ」を感じる若者は少なくありません。グローバルスクールは、そうした若者たちが世界一周クルーズを通して多様な経験を積み重ねながら、自分と向き合い、そして日本社会の常識だけにとらわれない生き方を学ぶプログラムです。
洋上では、自分と向き合うためのワークショップや参加型の英会話レッスン、ゲストとのデスカッションなどを通して、価値観の違いや多様性について学びます。およそ100日をかけて地球のあちこちをめぐる船旅は、言葉も肌の色も食べ物も宗教も異なる、多くの「違い」との出会いに満ちています。旅を通してさまざまな文化やライフスタイルと出会う体験には、抱えている悩みを解決するためのヒントがちりばめられています。
このような、世代や立場、文化の垣根を越えた出会いと交流は、広い地球をめぐる船旅の意義をより一層豊かに彩ってくれます。顔の見える交流を通して互いの理解を深める体験は、自分自身と社会とのつながりについて、改めて考えるきっかけになるかもしれません。